くり上がり・くり下がりのつまずきを防ぐ教え方|「10のまとまり」がカギ
2026/10/12
小学1年生の算数で、最初の大きな山場になるのが「くり上がりのあるたし算」と「くり下がりのあるひき算」です。ここでつまずくと、2年生の筆算、3年生のかけ算・わり算にも影響が出ます。反対に、ここをしっかり身につけておくと、その先の計算がぐっと楽になります。
この記事では、指を使って1つずつ数えてしまう子に、どう教えればよいかを紹介します。
1. まずは「10になる組み合わせ」をすらすら言えるように
くり上がり・くり下がりの計算は、どちらも「10のまとまり」を作ることが土台です。そのため、計算の練習に入る前に、「あといくつで10になるか」をすぐに答えられるようにしておくことが大切です。
1と9、2と8、3と7、4と6、5と5。この5組を、クイズのように出し合ってみましょう。「7は?」「3!」というやりとりが、考えずに出てくるようになれば準備完了です。お風呂や車の中など、机に向かわない時間にできるのも良いところです。
2. くり上がりのたし算は「10を作ってから、残りをたす」
8+5 を例に考えます。8は、あと2で10になります。そこで、5を「2と3」に分けます。8と2で10、10と残りの3で13。これが、学校で「さくらんぼ計算」と呼ばれることもある考え方です。
最初は、おはじきやブロックなど、実際に動かせるものを使うのがおすすめです。8個のまとまりに、5個の中から2個を移して10個の列を作る。目で見て、手で動かすことで、「10を作る」という感覚がつかめます。
慣れてきたら、ノートに数字を分けて書く方法に進み、最後は頭の中だけでできるようにしていきます。急いで段階を進めず、1つの段階で十分に練習することが近道です。
3. くり下がりのひき算は「10からひいて、残りをたす」
13−8 を例に考えます。3から8はひけないので、13を「10と3」に分けます。10から8をひいて2。その2と、残しておいた3をたして5。これが基本の考え方です。
「ひき算なのに、最後にたすの?」と混乱する子は少なくありません。ここでも、おはじきが役に立ちます。10個の列と3個のばらを用意し、10個の列から8個を取る。残った2個と、ばらの3個を合わせて5個。実際にやってみると、最後にたす理由がすんなり理解できます。
4. 指を使うのは、やめさせなくて大丈夫
指を使って計算していると、心配になる保護者の方は多いと思います。しかし、無理にやめさせる必要はありません。指を使うのは、まだ頭の中だけで数を動かす準備ができていないサインです。禁止すると、計算そのものが嫌いになってしまうことがあります。
「10になる組み合わせ」がすらすら出てくるようになり、10を作る方法に慣れてくると、指を使うより速くて楽だと子ども自身が気づき、自然に使わなくなっていきます。
5. 練習は「短く・毎日」
計算は、一度にたくさん練習するより、少しずつ毎日続けるほうが身につきます。1日10問、5分ほどで十分です。まちがえた問題は、答えを教えるのではなく、「10を作るには、いくつ分ければいいかな?」と、考え方を一緒にたどってみましょう。
おうちプリントの計算ドリルには、「たしざん(くりあがり)」「ひきざん(くりさがり)」があります。毎回ちがう問題が出るので、答えを覚えてしまう心配がなく、何度でも練習できます。
まとめ
- 「あといくつで10」をすぐ言えるようにしておく
- たし算は、10を作ってから残りをたす
- ひき算は、10からひいて残りをたす
- 指を使うことは禁止せず、自然に卒業するのを待つ
- 1日10問を毎日続ける